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ANAグループ機内誌「翼の王国」の「囲われたエデン」にて写真を連載中
小さな島に輝く水田の美
空飛行を続けるプロペラ機は緑豊かなフローレス島に着陸した。島を貫く一本の道が東西に375`。西の港町、ラブハンバジョーから1000メートルほどの山々を縫うように走ると、森林に包まれていた風景は中部のルーテン近くから一変した。道の両脇には水田が現れ、日本のどこかで感じたような土と水の香りが漂ってくる。雲の切れ間から眩しい太陽が稲をキラキラと輝かせ、家族総出で田植えをする島の人々が見えた。島の中央、山間部に暮らすマンガライ人の姿だった。水牛で田を耕した後、一本一本丁寧に苗を植え、自前の竹製ナイフで穂首を刈っていく。「しっかり手で植えなければ激しい風によって稲が倒れてしまうんだ」と手作業で行う大切さを話すイグナスさん。彼らは米が大好物である。山の上では寒さに強い陸稲(おかぼ)や黒米、そして赤米など、その地域の気候に合わせた稲を育てている。さらに海岸へ向かう道を下りていくと奇妙な水田を見つけた。まるで日本の四季を一度に見ているような不思議な光景だった。森が蓄えた水は田に注ぎ、青々とした田の隣では黄金色の穂が谷底を染めている。小さな石が並べられたあぜ道を歩く子供たちの声が聞こえ、強い日差しが収穫する彼らの喜びを映し出す。水田は広がりもしなければ、消えたりもしない。ただ、いつものように米を作ることが平凡でありながらも彼らにとってはこの上ない幸せなのかもしれない。
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