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ANAグループ機内誌「翼の王国」の「囲われたエデン」にて写真を連載中
峻厳なる自然と対峙しながら、チベット族は雄々しく生きる
中国四川省の成都からバスで2日。標高3300メートル、天空を突き刺す山々が見渡せる小さな町、甘孜(カンゼ)に着いた。ここはチベット文化圏の東端で、住民およそ3000人のうち80%がチベット族。丘には斜面を階段状にした小麦畑が広がり、近くには雅龍江(ヤーロンジャン)という川が流れ、揚子江となって海へ注いでいる。
町には東西に走る道路を中心に数百メートルに渡って商店が立ち並び、その東の外れの山の斜面に甘孜寺はあった。山の上に建つ大きな本堂、その周りを取り囲むように僧侶の宿舎が建ち、寺の周囲は迷路のような道が入り組んでいた。澄み切った空に、太陽が降りそそぎ、薪を燃やす煙が朝の町を覆い始めた。赤く塗られた柱をくぐり、狭い入口を入ると、そこには4畳ほどの小さな部屋にかわいい6歳の僧侶が親から生活していた。テレビもなければ、ラジオもない。ただ、布団と本棚、そして湯を沸かすための台所だけ。彼はバター茶を私にご馳走し、「この冬が終わると小麦畑が緑色に染まり、川岸には花が咲き乱れます」と、修行に耐えながら春の訪れを心待ちにしているかわいい僧侶の姿があった。
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